アトピー性皮膚炎は、かゆみが強く、発赤、湿疹ができ、長引くと皮膚が固くなることもあります。乳児は顔や頭をはじめ、全身に湿疹ができやすく、幼児や学童になると関節や目の周りなどに湿疹が集中することが多く、良くなったり、悪くなったりを繰り返します。冬は乾燥により、夏はあせもにより悪化しやすくなります。冬は保湿を、夏はシャワーで汗や汚れを落として皮膚を清潔に保ちましょう。皮膚の感染症(とびひ、水いぼ、ヘルペス)にかかりやすいため注意しましょう。
当院では、治療はステロイド外用剤により湿疹をコントロールし、保湿剤で乾燥を防ぎます。2歳以上で顔(特に目のまわり)や繰り返す方はプロトピック軟膏を処方することもあります。
かゆみのコントロールがつかない場合には抗ヒスタミン剤の内服薬を処方しますが、基本的には外用剤でコントロールします。ステロイドの副作用を心配される方もいらっしゃいますが、外用剤による副反応は、中止すれば回復する(可逆的な)副作用なのでご心配はいりません。
食物アレルギー合併のアトピー性皮膚炎では、乳児期早期では一時的に卵の摂取を制限することもありますが、湿疹が外用剤によりコントロールできたら、なるべく少量ずつ摂食して耐性化を目指します。